「オーガニック」と「ロハス」混同しがち?
筆者がオーガニックについて調べていた際にふと思ったこと。それが「オーガニックとロハスってそもそもどう違うの?」ということです。オーガニックについて調べるほどロハスと混同してきたので、今回は初心に戻って「オーガニックとロハスの違い」について調べてみることにしました!また、オーガニック、ロハスと並んでよく見られる言葉である「エシカル」「フェアトレード」の意味も調べてみました!
オーガニックとは
これまでローランでは『オーガニックって何?』『オーガニックと無農薬、無添加の違いって何?』などの記事で、オーガニックのそもそもの定義や混同しやすい言葉との違いについて紹介してきました。
オーガニックは「有機の」という意味で、農薬や化学肥料を使わず有機肥料によって生産された(有機栽培、有機農業)の有機農産物のことを指します。日本では「有機JASマーク」のついているものは、農林水産省のガイドライン通りに生産された有機食品です。
「オーガニック」にこだわる目的の一つに食の安全はもちろん含まれていますが、その他にも環境に負担をかけないことや、人とすべての生物が公平に共生する自然環境を築くことも目的とされています。
ロハスとは
ロハスとはLifestyles Of Health And Sustainability の頭文字をとった略語です。つまり、健康的で人間と自然が共栄共存できる持続可能なライフスタイルのことを指します。ロハスは1990年代後半にアメリカのコロラド州で生まれた価値観で、日本には2004年頃からメディアを中心に取り上げられるようになりました。
ロハスは伝統的な知恵や風習を大事にすることはもちろんですが、新しいものを取り入れることも良しとされています。何よりも大切なのは持続可能ということです。無理や我慢は長続きしません。自分自身の感性や感覚を磨き、自然環境への貢献を無理なく続けられること、自分にとって必要なものが何かバランスよく見定めることを重視しています。
エシカル、フェアトレードとは
最近耳にするようになったのが「エシカル」という言葉。また、エシカルと並んでみられる「フェアトレード」という言葉。オーガニックやロハスなどと並んでみることもあるこれらの言葉は、いったいどういう意味なのでしょうか?
エシカル
エシカル(ethical)とは「倫理的な」「道徳上の」という意味の英語です。1990年代後半にイギリスのブレア首相がアフリカの飢餓や貧困問題に対する政策について「エシカル」という言葉を用いたことから広まりました。「森林破壊など環境に不可をかける事をしない」という意味での倫理もありますが、「子供や小規模生産者などの弱者から搾取しない」「可能であればリサイクルをする」など割と広い意味を持ちます。自分の心に聞いてみろということですね。エシカルは、オーガニックやロハスをさらに広い視点でとらえた概念でもあります。たとえば「エシカルファッション」という言葉は、自然環境や労働環境に配慮された素材で作られた洋服かどうかというのが価値観になるでしょう。そのためオーガニックコットンを選択するのはエシカルファッションの価値観のひとつです。(→関連記事:『無印良品のオーガニックコットンシャツが安くて優秀だと話題♡』)また、バッグを買うとアフリカの子どもたちの給食費になるといった活動やリアルファー(毛皮)を着ない・買わないといった考え方もエシカルファッションのひとつです。
フェアトレード
エシカルの具体例をあげていくにつれて察しがついたかもしれませんが「フェアトレード」はエシカルな貿易のことです。フェアトレードとは、発展途上国の生産者が経済的に自立できるように公正な価格での取引する貿易のことを指します。物価が安く、売り先が少ないからといって生産者から買い叩くのではなく、生産者にも生活があり家族がいるという事を理解し、適正価格で買い取りましょうということです。人と人として、フェア(平等)であろうという倫理を元に取引するということですね。フェアトレードの商品を選ぶことは発展途上国の生産者の支援に繋がり、エシカルの倫理的・道徳的という概念にぴったり合います。
エシカルファッションやフェアトレードは、これまでボランティアに関心のなかった人でも商品を購入するついでにボランティアもでき、ちょっと良いことをしたという心をくすぐられる点で参加し易いと注目されています。
オーガニックとロハス、エシカルの違いは?問題点は?
ここまで、オーガニック、ロハス、エシカルと似た言葉について説明してきました。
エシカルという大きな倫理的概念、ロハスというライフスタイル、オーガニックという選択肢というように、どれも自然や健康的生活を守るという点で似ていますがそれぞれの言葉に違いがあります。ですが、特にオーガニックとロハスは別物でも日本では限りなく近い意味、切り離せない存在として利用されている言葉といえます。
オーガニックは、日本では自然保護や健康に関心の高い人たちの間では常識になりつつあってもまだまだ根付いているとは言えないでしょう。一方でヨガやピラティスを健康的な生活の一部に取り入れるといったロハスな価値観は一部根付きつつあります。
しかし、専門家の間で懸念されているのがそういったものがファッションや流行として、一時的に終わってしまうのではないかということです。一時的に終わってしまうというのは、ロハスの価値観から外れてしまいます。
セレブや芸能人から発信されたものが日本では「オシャレ」な流行として一時的に終わってしまうことがよくあります。流行にただ乗せられるのではなく、本当に自分にとって良いものは何か、続けられるものは何かということを改めて考える必要があるのではないでしょうか。