最近スーパーフードでよく知られているキヌアと良く似た「カニワ」が徐々に知名度をあげています。キヌアと同属であるカニワは、低カロリーなのに加え食物繊維、タンパク質、鉄分が豊富なので、栄養豊富なスーパーフードとして欧米で親しまれています。
目次
カニワとは
カニワ(Kaniwa)は、南アメリカのペルーとボリビアで古くから栽培されてきた穀物です。アンデスの3500から4100メートルの高地で霜、ひょう、強風、干ばつ、塩類土壌、害虫などの過酷な環境に適応し育ち、インカやアステカ文明の重要な食糧でした。現在でもその強固な性質から、ジャガイモや穀草類が不作の場合に備えて栽培されています。
カニワは多様性がある自殖性植物です。播種時には数種類の種を一斉に蒔き、約3ヶ月から5ヶ月で成熟します。収穫後は、種を脱穀、ふるい分け、風当て、洗浄、そして乾燥の加工をして調理出来る状態になります。
ジャガイモやキヌアなどのように食糧の代用として食べるイメージかもしれませんが、カニワは、料理の味や食感、栄養を補足するものです。伝統的な食べ方としては、粉末に加工したカニワをスープに加えたり、小麦粉と一緒に混ぜ、パンや麺類、菓子類にします。また、ホットチョコレートに似た飲み物も作ることができます。
また、カニワには食料以外にも様々な用途があります。例えば、葉はカルシウムを含んでいることから、家畜の重要な飼料になります。茎を燃やした後の灰は、防虫剤として使用することもできます。
カニワは、スペインの植民地化が始まってから徐々に社会的地位が低くなったと言われています。高品質の伝統的なカニワの栽培は徐々にパスタやお米など低費用の外来種に置き換えられ、農村などは”より良い”品種を育てるように圧力をかけられました。そのため、カニワなどの原産種の栽培と消費が減少しているそうです。この現象は農村地域に住む人の健康へ影響しています。変化した食生活の所為で、幼児や子供達は伝統的な食事から摂取していた栄養をとっておらず、大人は肥満、糖尿病、動脈硬化症の増加が見受けられます。ペルー高原に住む女性の多くは鉄分不足のため貧血を患っています。鉄分を含むカニワと鉄分の吸収を助けるビタミンCを食生活に加えれば、治療できる症状だと言われています。
カニワ:主な成分と特徴
カニワの栄養内容
カニワはタンパク質が豊富で、リジンやイソロイシン、トリプトファンなどの必須アミノ酸を含有しています。カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラル、抗酸化物質やオメガ3、6、9の脂質も含んでいます。カニワは種であり、ほぼふすまなので食物繊維が豊富で、グルテンフリーでもあります。
似ている食材:キヌア
※画像はキヌアです
カニワは、スーパーフードのキヌアと同じアカザ科で、これらの雑穀はとても良く似ています。キヌアとその約半分の大きさのカニワは良く比べられますが、大きな違いはカニワにはサポニンが含有されていないことです。そのため泡立ったり、苦味がしません。カニワの調理前に良く洗う必要がないので下準備が楽です(キヌアの製品によっては、パッケージする前にサポニンを除去する加工を行なっているものもあります)。キヌアの方がカニワより食感が柔らかいですが、それ以外の栄養内容や味などにほぼ変わりはありません。
どういうカニワ製品があるの?
カニワは種そのままの製品と、種を粉末にした製品があります。オーガニックの製品はありますが、あまり流通はしていません。カニワは加熱調理をしなければいけないのでローフードとしては食べられませんが、ヴィーガンレシピには使用でき、相性も良いです。
カニワの保存方法
カニワは穀物ですので、かなり日持ちは良いです。種(シード)の状態であれば密閉容器に入れ、湿気が少ない冷暗所に保管すれば約一年持ちます。
ただ粉状態の商品は少し注意が必要で、ダニや虫が湧きやすいので密封容器に入れた上、冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫に入れた上で、3ヶ月以内に使い切ると良いでしょう。
カニワの食べ方
カニワの一番簡単な調理法は、一晩浸水した後、水からあげてフライパンなどで軽く乾煎りをし、種が柔らかくなるまで水で煮込むことです。ナッツの風味とほんのり感じる甘さ、プチプチとした食感のカニワは、サラダや炒め物、スープやシチューなどと相性がいいです。また、デザートに加えても美味しいです。
カニワに摂取制限はあるの?
カニワは、全ての年代の方が食べられる製品です。摂取基準は明確に定められていませんが、伝統的には毎食主食として大量に食べる食品ではなさそうです。妊婦や妊娠初期の方が食べては問題なさそうですが、医師との相談の上摂取するのをおすすめします。アレルギーに関する報告はありませんが、ご自身の判断にて食してください。
カニワ製品はどこで購入できるの?
カニワの取り扱い店が少なく、ネットで購入するのが一番楽だと思います。ネットで注文出来る製品をご紹介します。
旭食品 贅沢穀類 カニワ
いかがでしたか?
キヌアによく似た「カニワ」のご紹介をさせていただきました!
日本では食べる機会はあまりないと思いますが、キヌアより渋みも少なく、サラダなどにまぶすにはおすすめです。是非試してみてください♪