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梅肉エキスとは
梅肉エキスってよく聞きますが、結局何なんでしょうか?梅の果実をじっくりと煮詰めたものです。
青梅約1kgからわずか20gしかとることができない希少なエキスで、梅の有効成分やミネラル分がぎゅっと濃縮されており、同量の梅干しと比較しても30倍以上の有効成分が含まれています。よく勘違いされているのですが、梅干しのエキスではないので、塩分は含んでいません。
梅肉エキスの歴史は古く、江戸時代後期の医学書には、食中毒や吐き下し、下痢、便秘、消化不良などの民間療法に使用されていたという記述があります。
梅肉エキスは人工的なサプリメント等と異なり、純粋な自然由来の食品なので、現在でもおばあちゃんの知恵袋のようにご家庭で健康維持に役立てている方も多くいます。
今回はそんな梅肉エキスの魅力について、詳しく解説していきたいと思います。
梅肉エキスの効能
一般財団法人 梅研究会が大学などと共同研究した結果、梅肉エキスには以下の効用があることが確認されたそうです。
インフルエンザ・風邪の予防
梅肉エキスには白血球の1種であり、免疫機能を司っているマクロファージを活性化する効果があるとのことです。
1日3gの梅肉エキスを習慣づけることで、インフルエンザウイルスの活性を抑える働きがあることが実験で証明されたそうです。
抗アレルギー作用
梅肉エキスには、アレルギーを引き起こす化学伝達物質であるヒスタミンが放出されるのを抑制する働きがあり、アレルギー症状の治療に使われる薬である抗ヒスタミン剤と同様の働きがあるそうです。
動物実験では抗ヒスタミン剤による抑制率が87.9%なのに対して梅肉エキスは57.3%だったそうですので、これが事実であれば梅肉エキスはなかなかすごい食品ですね。ただあくまで動物実験の結果ですので、人間に対してそこまで効能があるのかどうかの研究に期待したい所です。
カルシウム吸収率アップ
梅肉エキスはカルシウムの吸収率を最大で30%高めることが、三重大学医学部の伊藤均先生と財団法人梅研究会による共同実験によって判明されています。
ただこれも動物実験であり、最大で30%という点に注意して下さい。まあ何にせよプラスであることはかわりません。少なくとも、マイナスではないです。
殺菌作用
食中毒の原因菌である大腸菌やO-157、サルモネラ菌、チフス菌、黄色ブドウ球菌など12種類の菌に対して、梅肉エキスにどの程度の殺菌能力があるのか実験した結果、0.5〜0.125%のごく薄い濃度の梅肉エキスでも、菌の増殖を抑えられるということがわかっています。
また、ピロリ菌に対しても0.9%の濃度に薄めた梅肉エキスで99.999%殺菌できることが実験で証明されています。
疲労回復作用
梅肉エキスにはクエン酸が豊富に含まれています。
クエン酸は疲労の原因である乳酸を水と炭酸ガスに分解して体外へ排出してくれる働きがあるという研究は、1953年ノーベル生理学・医学賞を受賞した研究でも証明されています。
したがって、レモンの10倍以上のクエン酸を含有している梅肉エキスは疲労回復食品としても役立ちます。
いろいろ効果があるようですが、ただ梅肉エキスは医薬品ではなく健康食品ということをご理解ください。「食べたら病気が治る!」というようなものではありませんので、過信は禁物です。もし具体的な症状があるのでしたら、お医者様とご相談の上で摂取して下さい。
梅肉エキスの飲み方・使い方
さて様々な効能のある梅肉エキスですが、みなさんどのようにして使っていますか?
梅肉エキスを摂取する方法は基本的には3つ、そのまま舐めるか、飲み物で割るか、料理に混ぜるかです。
そのまま舐める
一番手軽な摂取方法はそのまま舐めることです。爪楊枝やティースプーンでごく少量とり、そのまま舐めましょう。
注意点としては、一度舐めた爪楊枝などでもう1度すくわないことです。唾液が梅肉エキスの容器の中に入ってしまうと、唾液中に含まれている雑菌が入ってしまい残りが全てダメになってしまう可能性が高いです。
梅干しが保存食なので勘違いしやすいですが、梅肉エキスには雑菌の繁殖を防ぐための塩分が含まれていないため、雑菌は繁殖しやすい食品と言えます。なので唾液を容器につけてしまうのは絶対にNGですので、注意して下さい。
飲み物と割る
そのまま舐めると酸っぱすぎるという方もいると思います。そういう方におすすめなのは何かの飲み物と混ぜて摂取する方法です。
個人的におすすめなのはお湯と割る方法ですね。酸っぱいのが苦手な方でもご自身の好みまで薄めれるため、極論言うと梅の香り付きの白湯くらいまで薄めることができます。
また夏は水やサイダーで割るのも良いですね。
梅肉エキスはとても酸っぱいので、はちみつもしくは黒砂糖をお好みで足すと、まろやかになって飲みやすく、おすすめです。
料理などに混ぜる
また梅肉エキスは料理に使用することも可能です。ドレッシングやソースにしたり、煮物に加えたりするのがおすすめです。
手軽に摂取したい方におすすめなのは、プレーンヨーグルトにまぜてデザートにすることですね。ヨーグルトに混ぜる方法であれば、朝の忙しい時間でも手軽に梅肉エキスを摂取することが可能です。
梅肉エキスの作り方
梅肉エキスは手間はかかりますが、家庭でも作ることは可能です。
以下で作り方を紹介しますが、作り方は梅肉エキスの販売元である梅丹本舗のサイトを参考にさせていただきました!
①青梅を洗い、水気を拭き取ります。
②竹串でヘタを取ります。
③青梅をおろし器ですりおろします。
※金属製のおろし器はNG!
④布にすりおろした青梅をのせ、汁をしっかりと絞り出します。
※青梅の繊維が汁に混ざらないように注意!
※搾りカスでジャムなどを作ることができるので、捨てずにとっておきましょう。
⑤こした汁をホーロー鍋や土鍋などの酸に強い鍋で煮詰めていきます。
沸騰してからは弱めの中火くらいの火加減で汁気をとばします。
※鍋の内側につくアクを丁寧にすくい取ると、梅肉エキスと苦味や渋味がとれます。
※梅のエキスが焦げ付かないように注意!
⑥梅エキスの色が黒っぽくなり、煮詰まって泡だらけになったら火を止めて粗熱をとります。
⑦糸を引く程度の硬さになったら、温かいうちに保存用の容器に移して、自然に冷まし、完成です!
おろし器ですりおろす際や鍋などには、金属製の道具はNGです。これは梅の有機酸が金属を腐食してしまうためです。セラミック製や陶器などのおろし器、鍋もホーロー鍋や土鍋を使用しましょう。
手作りの梅肉エキスは瓶などの容器にいれ、冷暗所で保存しましょう。きちんと容器などを殺菌して作れば、数年保存が可能です。
市販で買えるおすすめの梅肉エキス
手作りも可能ですが、やはり手間がかかるので、手軽に梅肉エキスを取り入れたい方はやはり市販のものがおすすめです。今回はネットで手軽に購入できるおすすめの梅肉エキスをまとめてみました!
健康フーズ 梅肉エキス 紀州梅100%
クエン酸などの添加物や合成保存料は不使用です。
梅丹本舗 古式梅肉エキス
エキス3gには青梅150g分(約7〜8粒)が濃縮されています。
また古式梅肉エキスに黒糖やオリゴ糖を加えたドロップもあります。梅肉エキスのすっぱさと黒糖の甘さが絶妙で、手軽に梅肉エキスを摂ることができておすすめです。
人工甘味料、着色料、香料など一切使用していないため、お子様にも安心です。
ウメケン 国産・有機栽培梅肉エキス
有機JAS認定商品の梅肉エキスは筆者が調べた限りではこれだけのようなので、オーガニックに関心の高いかたには特におすすめです。
摂取しやすい粒タイプの梅肉エキスの販売もあります。粒タイプもエキスと同様に有機JASマークを取得しています。
いかがでしたか?
梅肉エキスは、歴史的に民間療法で使用されているだけでなく、様々な効能があることが研究でわかっています。自然のものなので、科学的な薬などに頼りたくないという方にも支持されています。ぜひ、試してみてください!