ナタデココが日本で販売されてからずいぶん時間が経ちましたが、未だに根強い人気がありますよね!私も大好きで、よくナタデココ入りのゼリーを購入しています。しかし複数の友人にナタデココについて聞いてみると、「ナタデココという食べ物は食べているけど、原材料や製法などはよく知らない」方、意外に多かったのです。
そこで「いまさら聞けないけど、ナタデココについて知りたい」方へ、その豆知識と人気の商品、そしておいしく食べられる簡単レシピなどをご紹介したいと思います。
目次
結局ナタデココっていったい何なの?
ナタデココが何者かという答えは、ナタデココという名称そのものを見ればわかります。「ナタデココ」は、正式にはスペイン語で「ナタ・デ・ココ(Nata de coco)」と書き、スペイン語でそれぞれ
ナタ(Nata):「クリーム」
デ(de) :英語の「from」「of」
ココ(coco):ココナッツ
を意味しており、英語で表すとcream of/from coconuts、つまり「ココナッツのクリーム」という意味になります。
その名の通り、ココナッツで作られたクリーム状の食べ物をナタデココと呼びます。あとで詳しく解説しますが、初期のナタデココは今のナタデココのようなシャキシャキとした食感はありませんでしたのでこの名前になったのだと思います。
原材料は基本的に「ココナッツ・水・砂糖・酢・ナタ菌」で作ります!
ナタデココの作り方は?
ところで、意外に思われるでしょうが、ナタデココは「発酵食品」なんです。
ナタデココは具体的には以下のように作られています。
1.ココナッツの実からココナッツミルクを搾り取る
2.ココナッツミルクに砂糖・酢・水を混ぜる
3.酢酸菌の一種である「アセトバクター・キシリナム(別名:ナタ菌)」を加える
4.平たい入れ物に移し、しっかり温度管理した場所で7日間ほど発酵させる
5.発酵が終わると表面に膜ができますが、それがナタデココです。
6.出来上がったナタデココをカットし、90℃程度の高温で蒸せば完成!
言葉では少し分かりづらいかもしれませんので、製法に興味があるならこちらの動画を見てみてください!英語ですが見ればわかります!
ナタデココの発祥は?実は最近できた食べ物なんです!
ナタデココは南国の伝統食のようなイメージがありますが、実は作られたのは最近で、現在の形のナタデココは1973年にフィリピンで誕生しました。
「ナタ」という食品の誕生は偶然生まれたもので、初めに生まれたのはパイナップルの「ナタデピーニャ」でした。ナタデピーニャは18世紀頃、パイナップルの葉で作られたフィリピンの伝統服「バロン・タガログ」を生産するための工場で生まれました。当時バロン服を染めるための染料はパイナップルの実から抽出していましたが、運悪くそれが発酵してしまい、表面にぬるぬるしたぬるぬるした物体が発生しました。従業員がこれを食べてみたところ美味しかったというのがナタデピーニャの始まりです。
ですがナタデピーニャはパイナップルから作られているものですので、パイナップルの収穫時期以外は食べれないものでした。
ココナッツを使用したナタデココが生まれたのは1953年です。国民生活にココナッツが欠かせないフィリピンにはココナッツ庁というものがあるのですが、このココナッツ庁がココナッツで作るナタ、つまりナタデココの作り方を啓蒙したのです。
ただ当時のナタデココは生産・品質などが安定しませんでした。そこで1973年、微生物学者のサンチェス博士によって酢酸菌を用いた安定的なナタデココの作り方が提唱され、現在のナタデココが生まれました。
(参考:フィリピン国立科学技術アカデミー BS Nata De Coco)
ナタデココの栄養について
文部科学省のデータによると、ナタデココの100gあたりの主な成分は以下の通りです。
カロリー:73kカロリー
成分
・水分 79.7g
・炭水化物(糖質)20.2g
・不溶性食物繊維 0.5g
・ナトリウム 2mg
・マグネシウム 1mg
・カルシウム 1mg
ほとんどが水ですね(笑)
ナタデココの水以外の成分としては、ほとんどが炭水化物(セルロース)からできています。セルロースはカロリーが低く食物繊維が多いため、ダイエット食や特定保健用食品としても利用されています。
ただナタデココをダイエットという点で見ると噛みごたえはありますが、ほとんど水のためか腹持ちはあまりよくありません。そのためナタデココメインでダイエットするというよりも、ダイエット食に+αで噛みごたえを加えるという使い方のが良いかもしれません。
アレルギーはあるの?
あまり多くはありませんが、ナタデココにもアレルギーがあります。原材料がココナッツですので、ココナッツにアレルギーがある方は摂取しないほうが良いでしょう。
ナタデココでアレルギーで重篤な症状になることはあまりありませんが、心配な方は医師の指示を仰ぎましょう。
おすすめのナタデココ商品
ナタデココは加工のプロセスによって味が変わるので、いろいろな商品を試してお好きな味のメーカーを見つけるのが一番良いと思います。ここでは「とりあえず初めに試しておきたい」ナタデココ商品をご紹介したいと思います。
素のナタデココ
そのまま食べるだけですと飽きますので、ヨーグルトに入れるなどして食べたほうが良いでしょう。
ドール ナタデココ
味:甘め
食感:普通
タイ産のココナッツを使用した、定番ブランド・ドールのナタデココです。適量で缶詰めされているので1食分ごとに食べれるため賞味期限の管理が楽なのが特徴です。また簡易フォークもついており、缶切りも不要なタイプのプルトップですのでとりあえず家に置いておきたい商品です。
結構甘めですので好みが分かれる味ですが、いわゆる「ナタデココ」を想定して買うならこちらで問題ないと思われます。ただシロップがかなり甘いですのでダイエットには向かないですね。あと毎日食べてると空き缶が大量発生してしまいますので、あまりゴミを出したくないという方にはおすすめできません。
はごろも 甘みあっさりナタデココ 1.5kg
味:甘さ控えめ
食感:柔らかめ
日本のはごろもフーズが販売しているナタデココです。
1.5kg中、1000gがナタデココの可食部で、500gがシロップとなっているためコスパは非常に良いです。
ただほぼ業務用でかなりの量となり、ジッパーなどが付いてるわけでもないので一般家庭でしたらタッパーでの小分けは必須になります。
ドールのものに比べると甘さは控えめですので、本気でダイエットなどに使いたい方にはおすすめです。ナタデココ自体が少し小ぶりなのが残念ですが、値段が値段ですので仕方ないと割り切りましょう。
ホテイ デザートナタデココ 3035g
味:甘めだがロットによって若干異なる
食感:柔らかめ
3035g中、1800gが可食部ですので市販されているものの中ではコスパは一番です。はごろもに比べると品質が安定しない感はあり、以前注文したものと若干変わったりすることもあります。最近パッケージが変わりましたが、中身は同じのようです。
甘めのパイナップル果汁につけられているので、甘さが苦手な方にはあまりおすすめできません。
ただやはりコスパは最強ですので、とにかく量を食べたい場合はおすすめです。はごろもの業務用のパウチと異なり缶に入っていますが、やはりタッパーでの小分けは必須でしょう。
和歌山産業 蔵王高原農園 スタンドパウチ ナタデココ
味:甘さ普通
食感:しっかり
お値段は少し高めになりますが、品質はかなり良いです。パウチですので缶でのゴミが出ないのもポイントです。
ドリンク系
[トクホ]伊藤園 ナタデココ ヨーグルト味 (缶)
ナタデココを使用した飲み物といったらみなさんこのジュースを思い浮かべるのではないでしょうか。昔から伊藤園の自販機などでよく見かけるナタデココを使用したヨーグルトドリンクです。いつの間にかトクホになっていたみたいですね!
伊藤園の自販機は意外と少なく、無性にこれが飲みたくなる時に限って見つからなかったりしますので、家にストックしておくのがおすすめです。
サンガリア つぶつぶナタデココ入り白ぶどう
ぶどうジュースにナタデココが入っています。伊藤園と比べナタデココの量はこちらのが多いです。
伊藤園の方と違いペットボトルなので、ナタデココが全部食べれるのも嬉しいポイントです。缶の方ですとどうしても最後口の所にナタデココが引っかかって全部食べれないのがもどかしいですからね。(笑)
いかがでしたか?
今ではブームも過ぎ去り、健康食品としても定着してきたナタデココのご紹介をさせていただきました。
何故かたまに無性に食べたくなるので、おうちにストックしておくのもおすすめですよ!