オーガニックワインって?
オーガニックワインの定義
オーガニックワインの定義は国や地域(EUなど)によって若干の異なりはありますが、基本的には各オーガニック認証機関(USDAやJASのような機関)の基準を満たした有機栽培のブドウで造られたワインが「オーガニックワイン」と名乗ることができます。
EUなどの一部の地域では原材料が有機であることに加え、醸造方法にも規制がかかっています。
またブドウを作る農地にも規制がある場合がほとんどで、「規制されている農薬等を一切使用せずに、◯年以上経っていること」といった基準を満たした農地で作られたブドウのみが有機(オーガニック)と名乗ることができます。
オーガニックワイン=亜硫酸塩(酸化防止剤)無添加ではない
オーガニックワイン・ビオワインに関して勘違いされている方が意外と多いので、オーガニックワインと亜硫酸塩の関係性をまず説明しておきたいと思います。これを理解しておかないと、オーガニックワインが届いた後に原材料を見たら「酸化防止剤が入ってるじゃないか!」となってしまう可能性があります。
一般的に、ワインの製造には酸化防止剤である亜硫酸塩が使用されています。亜硫酸塩は名前が少し恐ろしいですが、「ワイン中の酸素を除去し酸化を防ぐ」、「雑菌などによる汚染を防ぎ品質的・衛生的に品質を安定させる」等の用途で使われています。亜硫酸塩は伝統的な手法で作られているワインの品質コントロールには必ず必要なものであり、フランスなど一部の国ではむしろ使用は義務化されています。
ワインに使用されているのはほんの微量であり、通常のワインの飲み方で人体に悪影響を与えることはありません。
今回ご紹介するオーガニックワインにはどれも亜硫酸塩が使用されています。ただオーガニックワインには通常のワインの添加基準より厳しい基準が設けられている国も多いため、通常のワインよりは少量の亜硫酸塩が使用されているワインも多いです。
もちろん亜硫酸塩が添加されているから絶対に飲まないという考えもあるとは思いますが、EUやアメリカなどは、日本が有機やオーガニックに対する取り組みを行い始める以前からオーガニックに対する取り組みや法整備を行ってきたオーガニック先進国です。亜硫酸塩がごく少量でも使用されているからと初めから嫌悪感を持つのではなく、それらの国々でオーガニックに対して真剣に取り組んでいるワイナリーで作られているワインを信用してみるのもよいのではないでしょうか。
もし無添加ワインが気になるという方は、こちらの記事で「国産ブドウのみを使用した、無添加のワイン」をご紹介していますので、こちらもチェックしてみてください。
ではオーガニックのワインをご紹介していきたいと思います!
赤
コノスル(チリ・3種)
自転車のラベルが特徴的なコノスルは、1993年にチリで創立された若いブランドです。低価格で質の良いワインを生産しているため、コスパ最強のデイリーワインとしてかなり有名なんじゃないでしょうか。2020年現在ですと、赤3種類、白2種類の合計5種類のオーガニックワインを生産しています。
コノスルではオーガニックのワインも作っており、ドイツの「BCSエコ」やフランスの「エコサート」といった主にヨーロッパのオーガニック認証を取得しています。
コノスル・オーガニック(カベルネ・ソーヴィニヨン/カルメネール/シラー)
・フルボディ
・カベルネソーヴィニヨン45%、カルメネール30%、シラー25%(生産年により若干変化有り)
・オーガニック認証:BCSエコ(ドイツ)
アサンブラージュ(ブレンド)のワインです。あのコノスルが自信を持ってブレンドしているこのワインは、この価格帯のオーガニックワインとは思えないほど重厚感と香りがありますので、日々の生活で気軽に飲むのにお薦めな1本です。
コノスル・オーガニック(ピノ・ノワール)
・フルボディ
・ピノ・ノワール100%
・オーガニック認証:BCSエコ(エコサート)
フルボディの割に優しい味わいで飲みやすい感じですので、パーティなどに持ち寄る時に最適なワインです。重いほうが好きな方には、先程ご紹介したカベルネメインのブレンドのほうがおすすめです。
コノスル・オーガニック(マルベック)
・フルボディ
・マルベック85%、 シラー15%
・オーガニック認証:BCSエコ(エコサート)
渋みがしっかりしており、優しい口当たりのワインです。チーズ系の料理や肉料理によく合います。
タヴェルネッロ・オルガニコ(イタリア・ミディアム)
・ミディアムボディ
・サンジョベーゼ100%
・オーガニック認証:EU認証
イタリアワインで出荷量世界1のタヴェルネッロのオーガニックワインです。タヴェルネッロとは、イタリアの“小さな居酒屋”を意味しており、日本ではサントリーが代理店をつとめています。以前はブドウがシチリア産のシラーでしたが、そちらは生産終了になり、現在はエミリア・ロマーニャ州のサンジョベーゼ種を使うようになりました。
香りがよく、口当たりもやわらかいのでグイグイいけちゃいます。パルマの生ハムなどと一緒に飲みたい味です。
イタリアワインはコスパが良いので有名ですが、こちらも例に漏れずコスパの良さが際立っています。
レ・グラン・ザルブル ルージュ(フランス・ミディアムフル)
・ミディアムフルボディ
・カリニャン、メルロー、マルスラン、カラドック
・オーガニック認証:エコサート
化学肥料や殺虫剤は一切使用しない有機畑で栽培したブドウを使用している、南フランスのワインです。フランスの国際オーガニック認証である「エコサート」を取得しています。
タンニンのバランスが良く、丸みのある味わいになっているため、気軽に味わえるワインに仕上がっています。
こちらは白のオーガニックもあり、白ワインの項目でご紹介しています。
ミッシェル・トリノ クマ(アルゼンチン・フル)
・フルボディ
・マルベック100%
・オーガニック認証:アルゼンサート(アルゼンチン)
世界で一番ワイン造りに適している地とも呼ばれる、チリのカファジャテで作られているオーガニックワインです。使うブドウはもちろん100%有機栽培で、アルゼンチンのオーガニック認証である「アルゼンサート」を取得しています。
熟れた果実系の深みのある香りと味わいが特徴です。
ナターレ・ヴェルガ (イタリア・ミディアム)
・ミディアムボディ
・ネーロ・ダーヴォラ90%、カベルネ・ソーヴィニョン10%
・オーガニック認証:Valoritalia (イタリア)
ナターレ・ヴェルガはシチリアの太陽の下で健康的なブドウを育てている、100年以上の歴史を持つワイナリーです。イタリアの有機認証機関であるValoritaliaをのオーガニック認定を取得しています。ボトルのラベルの可愛らしいアヒルは、アヒルがイタリアのどの湖や川にも生息していることから「常に自然と寄り添う」ことをイメージして描かれました。
シチリアで育った健康的なネーロ・ダーヴォラを使用したこのワインは、味がしっかりしているため肉料理にぴったりです。
値段もイタリアワインらしいコスパの良さがありますので、テーブルワインとしてお薦めです。
ドメーヌ ギャバロン(フランス・フルボディ)
・フルボディ
・グルナッシュ50%、ムールヴェードル30%、シラー20%
・オーガニック認証:ABマーク(フランス)
フランス南部、地中海からほど近いフォジェール(Faugères)のドメーヌ、ギャバロンで作られているGSMワインです。5代目である現オーナーの代から有機栽培に取り組み始め、全ての畑を有機栽培に切り替えることに成功しました。除草剤ではなく、ロバやヒツジの放牧などといった昔ながらの手法によって雑草を除去しています。
食欲を刺激するようなスパイスの香りの強い濃厚なブレンドです。味の濃い肉料理とよく合います。
エコ・バランス (チリ)
・フルボディ
・カベルネ・ソーヴィニオン100%
・オーガニック認証:IMO(スイス)
有機栽培と有機栽培移行中のカベルネ100%で作られているワインです。スイスの有機栽培認証機関、IMO認定のブドウを使用しています。
生産者のエミリアーナはチリのワインコンペである「ワインズ・オブ・チリ」でワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
カノン・デュ・マレシャル ルージュ(フランス・ミディアム)
・ミディアムボディ
・シラー50%、グルナッシュ50%
・オーガニック認証:エコサート(フランス)、Bio Swiss(スイス)、USDA(アメリカ)
ドメーヌ・カズは家族経営のワイナリーでフランス国内外で高い評価を受けており、ワインはパリなどの多くのミシュラン3つ星レストランで採用されています。自然農法にとことんこだわり、1994年から除草剤や殺虫剤、化学肥料を一切使用しない有機栽培に切り替えています。
フルーティな香りのするミディアムボディで飲みやすいのが特徴です。
白
コノスル(チリ・2種)
コノスル・オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン
・辛口
・ソーヴィニヨンブラン100%
・オーガニック認証:エコサート(フランス)
赤ワインの方でも紹介させていただいた、コスパの良さで定評があるみんな大好きチリのデイリーワインです。オーガニックシリーズはドイツの有機認証(BIO)を取得しています。
白はブドウが「ソーヴィニヨン・ブラン」と「シャルドネ」の2種類あり、どちらも単一品種です。どちらも南米最高峰の山、アコンカグアのある地域で作られています。
こちらのソーヴィニヨン・ブランは香りがよく、スッキリとした酸味で飲みやすくなっています。
デイリーワインとして常備するならコノスルが良いと思いますので、次に紹介するシャルドネと飲みくらべて、お好きな方をストックしておくのがお薦めです。
コノスル・オーガニック シャルドネ(チリ)
・辛口
・シャルドネ100%
・オーガニック認証:エコサート(フランス)
こちらはコノスルのシャルドネ版です。
柑橘系のフルーティな香りで、酸味は丸い感じです。良心的な値段でコスパも良いので、上のコノスル、ソーヴィニヨン・ブランと飲みくらべて気に入った方をデイリーワインとしてストックしておくと良いでしょう。
レ・グラン・ザルブル ブラン(フランス)
・中辛口
・ユニブラン、シャルドネ、コロンバール
化学肥料や殺虫剤は一切使用しない有機畑で栽培したブドウを使用している、南フランスのワインです。フランスの国際オーガニック認証である「エコサート」を取得しています。
果実系のフルーティな味わいと酸味とのバランスが良く、カルパッチョなどのマリネや、ピクルスなどによく合います。
また赤ワインのレ・グラン・ルージュも販売されています。
タヴェルネッロ オルガニコ トレッビアーノ・シャルドネ(イタリア)
・辛口
・トレッビアーノ、シャルドネ
・オーガニック認証:EU認証
オーガニックのトレッビアーノとシャルドネを使用した白ワインです。シチリアの太陽を浴びて育ったブドウを使ったこのワインは、熱い日によく冷やし、テラスなどで暑さの中飲むのにピッタリです。スモークサーモンやクリームチーズのクラッカーのせなどによく合います。
またタヴェルネッロはサンジョベーゼ100%の赤ワインも作っていますので、こちらもチェックしてください。(赤ワインの方でご紹介しています)
カノン・デュ・マレシャル ブラン(フランス)
・辛口
・マスカット・オブ・アレクサンドリア 、ミュスカ・プティ・グラン 、ヴィオニエ
・オーガニック認証:エコサート(フランス)、Bio Swiss(スイス)、USDA(アメリカ)
赤ワインでもご紹介したフランスの自然農法の先駆者ワイナリー「ドメーヌ・カズ」が手がけるオーガニックの白ワインです。洋梨を連想させるフルーティなワインです。
いかがでしたか?
オーガニックのワインでも、コスパの良い箱ワインのご紹介もさせていただいてますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください♪