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オーガニックワイン・ビオワイン・自然派ワイン…違いは?
ワインにもオーガニックのものがあることは、ローランでも『持ち運びやすい!箱パックでおすすめのオーガニックワイン6選』の記事などで紹介させていただきました。
ですがオーガニックのワインを探してみると、オーガニックワイン以外にビオワイン・自然派ワインなど様々な種類のワインが見つかります。オーガニックワイン・ビオワイン・自然派ワイン…どれも同じように感じられるかと思いますが、いったい違いは何なのでしょうか?
オーガニックワインとは
EU以外でワインが有名なのはアメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、南アフリカなどですが、これらの国は国ごとにオーガニック表記に関する規定が異なりますので、今回はEU産のワインを中心にご紹介したいと思います。
オーガニックワインに関するEUの規定では、2012年の収穫以降のワインはワイン醸造の過程を含んだ製造過程全てをカバーしたもののみをオーガニックとして認めることになっています。
EU産のワインでは規定をクリアしオーガニック認証を受けたワインのみが「オーガニックワイン」という言葉をラベルに記載できます。
また、オーガニックワイン生産に認められる物質も設定されており、例えば二酸化硫黄(亜硫酸塩)含有量は1Lあたり30〜50mgを下回らなければなりません。この量は一般的なワインよりはかなり少ないといえる量です。
(参照:http://euofa.jp/?p=1370)
EU産のオーガニックワインを簡単にまとめると以下の通りです。
ブドウ | オーガニック農法 |
---|---|
畑 | 化学肥料・農薬・除草剤不使用。 |
色 | 着色料・色素安定剤不使用。 |
香り | 香料不使用 |
味 | 調味料不使用 |
保存料 | 二酸化硫黄をごくわずかに使用。 合成保存料不使用。 |
ビオワイン・自然派ワインとは
EU産のビオワインはオーガニックのワインですが、他の地域産で「ビオ」と含まれているものには注意が必要です。
「ビオ」と冠されているものは定義が曖昧なものが多いですが、一般的には2パターンで考えられる事が多いです。
①ビオ=オーガニック
②ビオディナミ(バイオダイナミック)農法
EUでは混乱を避けるために、①ビオ=オーガニックの認識で統一されており、EU産のワインがビオと名乗るにはオーガニック認証が必要で、ビオディナミだけではビオと名乗ることができません。
しかし例えば日本の場合、オーガニックワインと名乗るには有機JAS認証が必要ですが、「ビオ」には何の規定もないため、日本産のワインはどのようなワインでも「ビオワイン」と名乗れてしまうのが現状です。
同様に、日本で「自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)」と名乗って売られているものも、どのようなレベルで自然派なのか厳密な規定がないのが現状です。
そのため規制がないことを逆手にとった自称ビオ・自然派ワインが存在するのも事実ですが、有機JASを始めとするオーガニック認証を取得するには消費者が想像する以上の高コストがかかるという事も覚えておいてください。
たとえ有機JAS以上の水準でオーガニックワインをつくっていても、「有機JASというマークをつけるだけのために高額がかかるなら、そのお金をワインの品質向上のために使う」といった小規模ワイナリーもたくさんあり、彼らは素晴らしいワインを造っています。
ワインのオーガニック認証機関のマークを参考にしよう!
オーガニックワイン・ビオワイン・自然派ワインの違いを説明してきましたが、何を信じてワインを選べばいいのかわからなくなってしまったという方もいると思います。
ひとつの基準として、認証機関のマークが参考になるかと思います。
日本ではオーガニックの認証は有機JASですが、ECではECOCERT(エコサート)AB(Agticuluture Biologique)DEMETER(デメター)、アメリカではUSDAなどが認証機関として存在しますので、これらのマークのついているワインなら間違いなくオーガニックの基準でワインが作られています。
それぞれの認証機関には厳密な基準があり、それをクリアしないと認証を得ることができません。そのため、ひとつの品質の判断材料として役立てることはできるでしょう。
ただし先ほども述べた通り、認証マークを取得するには時間やお金がかかることから、あえて取得しないという生産者の方もいるというのが現実です。
しっかりと自分の目で見て、自分の価値観に合った品質のものを選ぶことができると良いですね。
完全に無添加なワインはない?!
オーガニックというのはもちろん、できる限り無添加のものが良いと考える人は多いでしょう。そのため、ワインも無添加のものが良いと思われるかもしれません。
ですが、ワインの場合は酸化防止剤として使用される二酸化硫黄(亜硫酸塩)を全く利用しない場合、品質の劣化の可能性が高まります。
この品質劣化を無添加で実現するためには、ミクロフィルターを通して微生物を取り除いたり、火入れして微生物を殺したりします。
フランスではワインの火入れは違法であり、そもそも飲めば味の違いは明確で、もはやワインとは呼べないなんて意見も見られます。
オーガニック認証でもオーガニックワインの最低限の酸化防止剤として使用される二酸化硫黄(亜硫酸塩)の使用は認められています。
(参照:http://www.mavie.co.jp/organic/additive-free.html)
オーガニックワインやビオワインは二日酔いしないって本当?!
余談ですが、二日酔いの頭痛の原因はワインに含まれている酸化防止剤が原因という意見がよくみられます。実際に酸化防止剤を微量しか使用しないオーガニックワインやビオワインは、飲んだ次の日にだるい等の症状がないという話もよく聞きます。しかし、それらは科学的にはまだ立証されていません。
(参照:http://www.ginzafujiki-wine.com/hpgen/HPB/entries/464.html#q4)
いかがでしたか?
ビオ・無添加・自然派などの宣伝文句の中には、定義があやふやだったり、無添加にこだわるあまりに本来ワインを作るのに必要なものまで取り除いてしまい、ワインと呼べるのか疑問なもの、美味しさを失ったもの、保存性の悪いものなどが存在しています。
先にも述べた通り、自分の目で見て、自分の価値観に合った品質のものを選ぶことができると良いと思います。といってもなかなか難しいですよね。
自分で選ぶのが難しい場合はお店の方に教えてもらったり、ファーマーズマーケットのような生産者のわかる場所に足を運び、お話をきくのが一番ではないでしょうか?
自分にぴったりの究極のワインを探してみましょう♪
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