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赤ちゃんに蜂蜜はNG!
赤ちゃんには1歳になるまで蜂蜜を与えてはいけません。
2017年に生後5ヶ月の赤ちゃんが蜂蜜を口にして死亡したという事故が起こりました。
インターネット上に掲載されていた蜂蜜をつかったレシピで作られた離乳食を与えていたということで、大きな衝撃がはしりました。
筆者は赤ちゃんに蜂蜜を与えてはいけないことを知っていましたが、筆者の母はこのニュースを見るまで知らなかったと聞いて驚きました。ですがその反応にも理由があり、実は赤ちゃんに蜂蜜を与えてはいけないと厚生労働省が注意を喚起したのは1987年のことなので、1987年以降に子育てをした人でないと、知らない可能性も高いかもしれません。
(参照:idsc.nih.go.jp)
今回はなぜ赤ちゃんに蜂蜜を与えてはいけないのか、いつからあげられるのか、妊婦さんや授乳中のお母さんは蜂蜜を食べてもよいのかなどの疑問に答えます!
赤ちゃんになぜ蜂蜜がだめなのか 理由は?
1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜を与えてはいけない理由は、乳児ボツリヌス症の発生リスクがあるためです。
ボツリヌス菌は食中毒の原因となる菌の一種で、自然界に広く存在しています。
蜂蜜に含まれるボツリヌス菌はごく少量なので大人が食べても何も問題はありませんが、1歳未満の赤ちゃんは腸内環境が整っていないため、蜂蜜に含まれていたボツリヌス菌が腸で増殖し、乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があります。乳児ボツリヌス症はまれに死亡する場合があるので、1歳未満の赤ちゃんには絶対に蜂蜜を与えてはいけません。
蜂蜜を加熱すれば大丈夫?
ボツリヌス菌を殺菌するには120度で4分以上、80度で30分以上の加熱が必要です。
食べる直前に熱の調理は効果的ではありますが、熱で調理しても防げないことがあるので、やはり1歳未満の赤ちゃんには蜂蜜はもちろん、蜂蜜を使用したお菓子なども絶対に与えてはいけません。
(参考:www.fukushihoken.metro.tokyo.jp)
赤ちゃんに蜂蜜を与えてしまった場合どうする?症状は?
ボツリヌス菌は市販の蜂蜜で平均5%程含まれているというデータがあります。そのため、蜂蜜を食べたからといって、必ずしも乳児ボツリヌス症になるわけではありません。
(参考:mainichi.jp)
しかし発症した場合は様々な症状がでるため、蜂蜜の入ったものを間違えて与えてしまったりした場合には注意深く観察したり、心配な場合には症状が出る前でも病院につれていきましょう。
乳児ボツリヌス症の症状は、便秘症状が数日続く(3〜1ヶ月)、食欲不振、衰弱(哺乳力の低下)、泣き方の変化(弱々しくなる)、全身の筋力低下などを引き起こし、まれに死亡することがあります。顔面が無表情になる、頸部筋肉の弛緩により頭部を支えられなくなるなどのひと目でわかる症状がでるので、早急に病院に行きましょう。
赤ちゃんに蜂蜜はいつからあげられる?
乳児ボツリヌス症を発症しやすい時期は生後3ヶ月〜6ヶ月の乳児と言われています。だいたい1歳くらいに腸内環境が整うため、1歳になったら体調の良いときに少量ずつ与え始めても問題はないでしょう。初めてから慣れるまでは、様子を見ながら少量ずつ与えましょう。
ただし、他の食材にアレルギーがある場合は、蜂蜜を与える前にお医者さんに確認した方が安心でしょう。
メープルシロップはOK?
メープルシロップは蜂蜜と似てはいますが、カエデの樹液を煮詰めて作る甘味料なので全く別のものです。そのため、メープルシロップは10ヶ月頃から赤ちゃんに与えることができます。
甘味シロップの中には蜂蜜が混ざっているものがあるので赤ちゃんにNGのものも多いですが、カエデの樹液100%の無添加のものしかメープルシロップと呼ばれないので、蜂蜜が混ざっているという心配もありません。(ただし、メープルシロップ風甘味料には添加物やカエデ樹液以外の原料が含まれていますので、原材料の確認はお忘れなく!)
メープルシロップは作る過程で煮詰められており、殺菌もされていることから、10ヶ月頃から少量ずつ離乳食の甘味料として使用することができます。
ただし糖度は高いため、虫歯のリスクはあります。しっかり歯磨きはしてあげましょう。
また、赤ちゃんは甘いものが好きなことが多いので、与えすぎると甘い物ばかり食べたがったり、肥満や糖尿病、偏った栄養による栄養失調などのリスクもあるので、少量ずつ週に1、2度程度が良いでしょう。
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ちなみに、メープルシロップ尿症という病気があり、名前からメープルシロップのせいで病気になると誤解されていることが多いです。メープルシロップ尿症の赤ちゃんが生まれて24時間以内に、汗や尿などからメープルシロップのような臭いがすることからこのような病名が名付けられていますが、メープルシロップ尿症は先天性代謝異常症であり、原因はメープルシロップではありません。
妊娠・授乳中のお母さんは蜂蜜大丈夫?
妊娠・授乳中のお母さんは蜂蜜を食べたときの赤ちゃんへの影響を不安に思う方もいるでしょう。
妊娠・授乳中のお母さんが蜂蜜を食べても赤ちゃんへの影響などの問題はありません。
先にも述べたとおり、1歳未満の赤ちゃんは腸内環境が整っていないため、蜂蜜に含まれていたボツリヌス菌が腸で増殖してしまい、乳児ボツリヌス症を引き起こしてしまう可能性があります。ですが、妊娠・授乳中のお母さんは大人なので、自分の消化器官でボツリヌス菌は分解されて排出されてしまいます。
むしろ妊娠中は風邪をひいてしまった際に薬が飲めないため、マヌカハニーなどの抗菌力の高い蜂蜜を舐めたりして役立てている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
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いかがでしたか?
蜂蜜を赤ちゃんに与えてはいけないことは有名になりつつありますが、改めて確認することができたのではないでしょうか?
蜂蜜は身体に良いイメージから赤ちゃんに与えたくなってしまうかもしれませんが、1歳以前の赤ちゃんには絶対に与えないでくださいね!