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甘酒はジャパニーズスーパーフード!
『海外で今大注目の「ジャパニーズスーパーフード」って何?』という記事内でも紹介しましたが、今海外では日本から海外に渡った「ジャパニーズスーパーフード」がヘルシー志向の人たちを中心に話題になっています。
日本スーパーフード協会が世界に推奨するジャパニーズスーパーフードは、納豆、味噌、緑茶、甘酒の4つです。
今回はその中でも甘酒に注目していこうと思います。
甘酒とは
甘酒は奈良時代から日本人に飲まれてきたと言われる伝統的な甘味飲料のことです。甘酒という名前からお酒と思われがちですが、アルコール度数が1%未満なので分類としては清涼飲料水になります。
甘酒といえば冬に飲むイメージですが『現代季語事典』では夏の季語とされています。というのも、江戸時代の日本は食生活が質素であったため、栄養豊富な甘酒を夏に栄養ドリンクとして頻繁に飲んでいたそうです。そのため、甘酒売りが夏の風物詩となり、甘酒の季語は夏になったようです。
甘酒の種類
甘酒は実は、酒粕で作ったものと米麹で作ったものの2種類あります。この2つの違いは、大きく2つあります。
一つ目はアルコール。米麹で作られたものはアルコールが含まれていませんが、酒粕でつくったものにはアルコールが含まれています。アルコール度数は1%未満のため、清涼飲料に分類されますが、子どもや運転者、お酒に弱い方は飲む際に注意が必要です。
二つ目は砂糖の使用。米麹で作られたものは米本来の自然な甘さなので砂糖不使用ですが、酒粕で作ったものは酒粕自体に甘さはないので、砂糖などで味が調整されています。そのため、米麹でつくったものに比べて酒粕で作った甘酒はカロリーが高くなります。
日本スーパーフード協会が世界に推奨するジャパニーズスーパーフードとして挙げられている甘酒は「米を発酵させているもの」と書かれているので、米麹でつくった甘酒がそれにあたるということになります。
また、ひな祭りの際などに飲まれる白酒と甘酒はよく同じものと思われていますが、農林水産省によると別物だそうです。白酒は、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1ヶ月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶして造った酒のことだそうです。(参照:maff.go.jp)
甘酒:主な成分と特徴
甘酒は「飲む点滴」とも言われています。というのも、ビタミンB1、B2、B6をはじめとするビタミン類や、食物繊維、ブドウ糖、オリゴ糖、グルタミン、9種類の必須アミノ酸など、点滴に似ている成分が含まれていることから、そのように言われているようです。江戸時代には滋養強壮の飲み物として親しまれていたように、その栄養価は日本で昔から評価されています。
甘酒はメーカーなどによって成分のばらつきがあるかと思うので、米麹、酒粕の成分を調べてみました。
可食部100g当たりの数値 | 米麹 | 酒粕 |
---|---|---|
エネルギー | 286kcal | 227kcal |
たんぱく質 | 5.8g | 14.9g |
ビタミンB1 | 0.11mg | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.13mg | 0.26mg |
ビタミンB6 | 0.11mg | 0.94mg |
葉酸 | 71μg | 170μg |
食物繊維 | 1.4g | 5.2g |
(参照:食品成分データベース)
このように比較してみると、酒粕のほうが栄養価が高いですね。しかし、酒粕を使った甘酒は味の調整のために砂糖が使用されてたりアルコールも含まれています。そこが気にならないようでしたら、ジャパニーズスーパーフードとして認められているのは米麹の甘酒ですが、酒粕の甘酒も栄養価が高くおすすめです。
甘酒の摂取制限はあるの?
甘酒の1日の摂取量の目安は200mlだそうです。メーカーによっても栄養価は変わってくるとは思いますが、身体にいいからといって飲み過ぎもよくありません。適度に取り入れていきましょう。
妊婦や授乳期の方は、酒粕で作られた甘酒はアルコールが含まれているので避けてください。米と米麹だけで作られたアルコール0%の甘酒は、妊婦や授乳期の方も問題なく飲むことができます。同様に、子どもや運転者、お酒に弱い方も酒粕で作られた甘酒は注意が必要ですが、米と米麹だけで作られたアルコール0%の甘酒は問題ないでしょう。飲む前にパッケージなどで成分を確認してみてください。
甘酒に考えられるアレルギーは、米アレルギーです。この場合、米はもちろん、玄米、もち米、米麹なども摂取できません。症状としては、蕁麻疹、頭痛、下痢などです。
また、アルコールアレルギーの人は酒粕でつくった甘酒は避けましょう。こちらも、蕁麻疹や下痢などの症状がでます。
この他のアレルギーの体質の人も医師に相談し、摂取するのがおすすめです。
甘酒の保存方法
市販のものは常温保存が可能です。ですが、直射日光の当たらない冷暗所で保存する方が品質を保てるので良いと思います。開封後は冷蔵庫で保管し、賞味期限に限らず、早めに飲みきりましょう。
甘酒を手作りした場合は、発酵食品なので酸化が進みます。また、栄養豊富なので雑菌も繁殖しやすいです。冷蔵庫で保存した場合、だいたい1週間くらいは保存できますが、3日ほどで飲みきるのがおすすめです。手作り完成後、冷蔵保存などする前に、甘酒を鍋にいれ中火で一煮立ちすると、より日持ちがするようになります。この作業をした場合、冷蔵保存で約2週間〜1ヶ月保存が可能ですが、この場合も早めに飲みきりましょう。味に異変を感じた場合は、無理せずに諦めましょう。
製氷皿で凍らせた甘酒。
夏は特に便利に使えるのでオススメでっす。#糀甘酒 #自家製 #冷凍 http://t.co/YMAD21bb7D pic.twitter.com/bC2Mz9OPEp— KYO (@kyo1117) 2015年6月15日
また、冷凍保存も可能です。冷凍保存だと3〜6ヶ月保存が可能です。製氷皿で凍らせたのちにジップロックなどに保管すると、解凍する際に飲みきれる分だけできて便利です。ですが、やはり風味が低下してしまうので、冷凍の場合もなるべく早く飲みきる方が良いと思います。解凍する際は、自然解凍が良いです。しかしどうしても早く解凍したい場合、品質が変わってしまうので60℃以上にならないように加熱しましょう。また、冷凍のままシャーベットのように楽しんでいる人も多いようです。おやつにピッタリかもしれません。
甘酒のおすすめの飲み方
甘酒をそのまま飲むのももちろん美味しいのですが、様々にアレンジして飲んでいる人が多いようです。
Instagramに紹介されていた甘酒のアレンジ方法を一部ご紹介します。
甘酒+生姜
冬にぴったりのぽかぽか生姜甘酒。
しょうが甘酒という商品も販売されている通り、相性はバッチリです!
冬だけでなく、この美味しさは夏にも!
かき氷のシロップにも甘酒+生姜はぴったりです。
甘酒+豆乳
甘酒+豆乳でまろやかな味を楽しみましょう。
シェイクをつくる人も。
甘酒+コーヒー・ココア
意外かもしれませんが、甘酒はコーヒーやココアにも合います。
甘酒の手作り方法
甘酒といえばお正月に寺社で貰ったり、缶で売られているものを買うかのどちらかのイメージが強いですよね。ですが、最近は甘酒が注目されたことから、手作りする人も多いようです。ネット上にも「作ってみた!」という声が多数あがっていました。
手作りはコスパがいいだけでなく、できたての甘酒を味わうことができます。
甘酒を手作りする方法の動画があったので紹介します。
材料
- 米麹 100g〜150g
- お湯(70℃) 150g
作り方
- 温度計で温度を計りながら、70℃のお湯150gを用意する。
※米麹は温度に敏感なため、先に70℃を計っておく必要があります。
- 魔法瓶に米麹とお湯(70℃)をいれる。
- そのまま6〜8時間放置し、完成です!
甘酒の温度が70℃以上で保温されると酸味のある甘酒になり、温度が50℃くらいで保温されると米麹の粒が硬い甘酒になります。好みがあると思うので、色々試してみると良いと思いますが、魔法瓶も持続する温度が多少さがるので、少し高めにするのがポイントです。
おすすめなのが、完成した甘酒を鍋にいれ中火で一煮立ちすることです。この一手間をするだけで、通常より日持ちするようになります。期間でいうと、この作業をしないと3日くらいのところが、この作業をすることで、だいたい2週間くらい保存することができます。(参照:marukawamiso.com)
また、魔法瓶以外でも炊飯器やヨーグルトメーカーなどで自家製甘酒をつくることができます。
その他に甘酒作製キットも発売されていますので、紹介します。
スケーター ふりふり 甘酒 手作り メーカー
dpi.ne.jp
レンジで加熱してふるだけで完成するというもの。食洗機にも対応しているので、手軽にできますが、やけどに要注意です。
アイリスオーヤマ ヨーグルトメーカー
クッキングガイドがついているので安心。値段も¥3,629 とお試ししやすい価格です。
TANICA ヨーグルティア スタートセット
tanica.jp
ヨーグルティアを発売しているタニカが動画でヨーグルティアを使った甘酒の作り方を紹介しています。
栄養たっぷりの甘酒を料理に活用しよう!
甘酒はそのまま飲んでも美味しいのですが、スムージーにしてみたり、料理に使ったり、様々な活用方法があるので、ご紹介します!
アボカドと甘酒のクリーミースムージー
甘酒、アボカドをミキサーでなめらかになるまで撹拌し、ハチミツやレモン汁をお好みでいれたら完成です。
アボカドもスーパーフード(→『みんな大好き♡アボカドが実はスーパーフードだった!』 )なので栄養満点!
朝ごはんに良さそうですね。個人的にはバナナを入れても美味しそうだと思いました。
分量などの詳しいレシピはこちら
甘酒のロールケーキ
甘酒を使ったロールケーキ!クリームにも甘酒をいれちゃいます!
粒のある甘酒は、ペースト状にしておくのがおすすめです。
詳しいレシピはこちら
甘酒の自然な甘さを利用して、ロールケーキ以外にもフレンチトースト、プリン、ゼリー、アイスなどのスイーツを作ったり、マフィンなどの生地に入れたりする人が多いようです。
糀甘酒で作るグリーンカレー
甘酒の自然な甘み、コクがポイントだそう!カレーがまろやかになりそうですね!
詳しいレシピはこちら
カレー以外にも、スープや煮物、照り焼きなどに甘酒を活用している人が多いようです。
いかがでしたか?
永作博美さんや井川遥さんなど女優さんたちの間でも、甘酒を愛飲していると話題になっていたので気になってはいたのですが、調べてみると甘酒、奥深いですね。
栄養価たっぷりで夏バテはもちろんですが、やはりこれからの寒い季節にぴったりということで、おいしく甘酒を楽しみたいですね!