普段からオーガニックな生活をしている人にも、旅行先では特別な気分を味わいたい人にも、おすすめのホテルがあります。それが「BIO HOTEL®」。今回はビオホテルについて紹介していきたいと思います。
BIO HOTEL®とは
BIO HOTEL®(ビオホテル)とは、食べ物や飲み物、シャンプー・石けん類、タオル、ベットリネン類、施設の建材など、可能な限り自然素材を使った宿泊者の健康にも環境にも優しいホテルのことです。BIO HOTEL®のBIOとは、オーガニックという意味です。
もともとはヨーロッパに「ビオホテル協会」という機関があり、ドイツ、オーストリア、イタリア、スイス、フランス、スペイン、ギリシャの7か国、約100軒(2013年10月現在)のビオホテルがあります。
日本のビオホテル
日本では、ヨーロッパのビオホテル協会の公認をうけたBIO HOTELS JAPAN(日本ビオホテル協会)が2013年5月に発足し、その2年後の2015年5月に日本発のビオホテルが誕生しました。それが長野県カミツレの宿「八寿恵荘」です。2016年4月には、福島県須賀川温泉「おとぎの宿 米屋」が認証され、現在はその2つのみが日本のビオホテルとして認証されています。
日本におけるBIO HOTEL®認証基準
日本におけるBIO HOTEL®認証基準は、日本ビオホテル協会がEUのオーガニック規格を参考に独自のガイドラインを食品・製品分野毎に設け、これに適合した食品・製品の使用をBIO HOTEL®の認証・格付けの条件としています。
BIO HOTEL®認証はホテルの格付けである「星」の代わりに「リーフ」を用いて格付けが行われ、以下の条件を目指すことが推奨されています。
認証条件
- 食べ物、飲み物は基本的にすべてがBHJ認証のものであること
- ボディケア・スキンケア用品にはBHJ認証を受けた製品を使用すること
- CO2削減を中心としたエネルギー資源マネージメントへの取り組みを行うこと
(※認証された以外のものを使用する場合は、必ずゲストに明示すること)
条件の達成度合いにより、5リーフと4リーフに格付けされた宿泊施設が「BIO HOTEL®」として認証され、3リーフと2リーフの宿泊施設については、「フレンズ・オブ・ビオホテル」として「BIO HOTEL®」の認証をめざすという位置づけになります。
FRIENDS OF BIO HOTEL® | BIO HOTEL® | ||
2リーフ | 3リーフ | 4リーフ | 5リーフ |
食品と飲料品の 年間仕入れコストの 50%以上が BHJ認証のもの |
食品と飲料品の 年間仕入れコストの 75%以上が BHJ認証のもの |
食品・飲料品の 年間仕入れコストの 90%以上が BHJ認証のもの |
すべての食品、飲料品がBHJ認証のもの |
(参考:biohotels.jp)
また、食べ物・飲み物以外に、望ましい付加サービスとして
- タオル・ベッドリネンがBHJ認証のものであること
- 施設・建物の内装材、建材等が自然素材であること
があげられています。
日本のBIO HOTEL®で提供する食材・食品や製品等についても、原材料の栽培方法・成分、加工工程、さらに流通工程にわたる詳細なガイドラインが設定されています。
ガイドラインの詳細は以下です。
- 生産者や生産地、栽培方法、加工過程、流通過程が明確なこと
- 食品や飲料品は味がよく、見た目にも魅力的であること
- 生活雑貨品は、本来の機能を十分に果たし安全性にも配慮されていること
- 健康を害する物質を使用していないこと
- よりよい食品製品を生活者に届ける努力を続ける生産者や製造者流通者を選ぶこと
- 次世代に受け継がれていくべき持続性のある価値をもった生産物や取り組みを選ぶこと
- 生態系や環境への負荷に配慮した生産方法でつくられた生産物や食品、製品であること
- 表面的な安全安心ではなく、その商品の背景や生産者や製造者流通者の理念を含めて、本当によい生産物や食品、製品と判断できるもの
- 可能なかぎり情報公開ができること
- 可能なかぎりその近郊の地域のものを選ぶこと
(参考:biohotels.jp)
このような厳しい基準の上に、ビオホテルは認証されます。
では、日本にある2つのビオホテルについて紹介します。
長野県カミツレの宿「八寿恵荘」
日本ではじめてビオホテルに認証された宿。2015年5月にリニューアルオープンするのと同時にBIO HOTEL®認証を取得しました。
宿の建材に、地元池田町の木をふんだんに使用し、熱源には池田町の不要木材を利用したボイラーを導入しています。
寝具やタオルなどは全てオーガニックコットンを採用。
自社農園や近隣地域で栽培した有機野菜の料理が美味しいと評判です。化学調味料や添加物は一切使っていません。
お米を釜で炊く体験もできちゃいます。
「華密恋の湯」は、カモミールエキスたっぷり。カミツレ研究所でつくられたカモミールエキスを利用したシャンプー、石けん、ボディソープを使用できます。
土日祝日は日帰り入浴も可能です。
1泊2食付きで14,040円〜。客室は全部で8部屋。
部屋には八寿恵荘の建材に使われている木の名前が付けられており、カギのキーホルダーもそれぞれの木材で作られています。
アトピーの子どもたちの自然体験教室や乳がんサバイバーのツアーなどでも利用されています。
こんな素敵なビオホテルで、オーガニックライフを体験してみては?
名前 | カミツレの宿 八寿恵荘 |
所在地 | 長野県北安曇郡池田町広津4096 |
電話 | 0261-62-9119 |
公式ページ | https://yasuesou.com/ |
福島県須賀川温泉「おとぎの宿 米屋」
源泉かけ流しの温泉旅館。本格的な料理とファシリティ設備、天然温泉を備えた旅館としては、 日本初のビオホテルです。
館内の雰囲気も落ち着いていてリラックスできそう!
さすがの温泉宿!お風呂も豪華!
大浴場と部屋付きの露天風呂には、ECOCERT認証のシャンプー、ボディソープ、スキンケアコスメが置かれています。
食材が多岐にわたる和食や懐石料理はビオホテル認定の上で難易度が高いと考えられていますが、震災前から農薬を使わない自然栽培農家とのネットワークを進め、お客に提供する食材を厳選するこだわりを持ち続けてきたため、クリアできたといいます。
自社農園で栽培する無農薬・無肥料野菜や近隣生産者を中心とした有機栽培・無農薬栽培の農産物をはじめ、 調味料等加工食品に至るまで有機認証のものを使用した料理。
おとぎ会席は物語に沿ったお料理が楽しめるという凝り様。すごいです。
朝ごはんも豪華!大満足間違い無しです。
震災を経験した福島だからこそ、食材の安心、安全を発信し続けることに意義があるとのこと。
素晴らしいですね!
名前 | おとぎの宿 米屋 |
所在地 | 福島県須賀川市岩淵字笠木168-2 |
電話 | 0248-62-7200 |
公式ページ | http://www.e-yoneya.com/ |
SNS |
いかがでしたか?
ビオホテル、こだわりが詰まっていることもあってとても素敵ですね!
旅行の醍醐味である、日常から離れてリフレッシュするというのも実現できそうです。
ビオホテルはオーガニックにこだわることはもちろんなのですが、それが目的かというと少し違う気もします。宿泊する人が、快適に心も身体も健康になれて、その上に地球に優しくあれたら素晴らしい、それがビオホテルを利用する目的なのではないでしょうか?
旅行の予定を考えている人は、ビオホテルいかがですか?