「ラクトースフリー」「乳糖不耐症」って何?

「ラクトースフリー」「乳糖不耐症」って何?
2017年3月2日 高橋 弥生
高橋 弥生
In Food & Drink
ラクトースフリー

ラクトースフリーが海外では一般的に?!

「グルテンフリー」という言葉は最近よく聞くようになりましたが、「ラクトース(乳糖)フリー」という言葉はご存知ですか?
今回は、ヨーロッパでは一般的になってきている「ラクトースフリー」についてご紹介します。牛乳は好きだけど飲むとお腹を壊してしまうという方は特に必見です!
 
関連記事:『今更聞けない「グルテンフリー」って何?


ラクトースフリーとは?乳糖不耐症って何?

ラクトースフリーとは、ラクトース(乳糖)を含まないものという意味です。
ラクトースとはグルコース(ブドウ糖)とガラクトースが結合した二糖類で、哺乳類の乳汁に含まれています。
ではラクトースフリーがなぜ注目されるようになったのでしょうか?それには乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)が深く関わっています。
乳糖不耐症とは、牛乳など乳製品に含まれているラクトース(乳糖)を分解することができず、下痢や腹痛などの症状を引き起こしてしまう事をいいます。
牛乳を飲んでお腹がゴロゴロしたり、下痢をしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか?必ずしも乳糖不耐症とは言い切れませんが、そのような症状がでる場合は乳糖不耐症である可能性が高いでしょう。
ラクトース(乳糖)は、小腸で作られるラクターゼという乳糖分解酵素によって、グルコースとガラクトースの2つの単糖に分解され、腸壁から血液中に吸収されます。人間は乳児の頃は母親の母乳で育つ必要があるため体内でラクターゼ酵素を生成しますが、年齢が増すにつれて牛乳に依存しない食事に移行する事でラクターゼの分泌量が徐々に減少していきます。そして成長した人間がラクトース(乳糖)を分解する酵素(ラクターゼ)が分泌されない状態で、ラクトース(乳糖)を含んだ乳製品を摂取することにより下痢を起こすわけです。
もしくは、セリアック病やそのほか腸の疾患・手術などが原因で乳糖不耐症になることも多くあります。また非常に稀ではありますが、先天的に遺伝でラクターゼを作ることができないという場合もあります。この場合は、母乳や粉ミルクを飲ませるとすぐに下痢になってしまうため、命に関わる問題です。

北ヨーロッパ(北欧)の人は乳糖不耐症の人の割合が少ない

乳牛
成長すると母乳を摂取しない生活になるため、成長するに連れて乳糖分解酵素であるラクターゼの分泌量が減っていくと先述しましたが、一般的に北欧などの酪農が伝統的に行われてきた地域の人間は乳糖不耐症の人の率が低いと言われています。これには以下の2つの説が有力なようです。

  1. 酪農が盛んなので食文化に常に乳製品が伴い、成長しても体内のラクターゼ生成量が減らないように適応した
  2. 酪農が盛んな地域で遺伝子が環境に適応するよう変異し、ラクターゼの生成量が大人になっても減らないようになった

日本人は乳糖不耐症の人が多い?

実感としても牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする…という声は多く聞かれますが、実際に現在日本の成人男女の約1/4、推定2000万人が乳糖不耐症であると言われています。(参照:www.meg-snow.com
乳糖不耐症の症状は下痢・腹痛など深刻なものではありません。ですが経験したことがある方にはわかる通り不快なものなので、なんとかこの症状を改善したいという方も多いのではないでしょうか?もしくは乳製品を諦めるという方法で解決している方も多いのではないでしょうか?雪印メグミルクの調査によると、「乳糖不耐」の牛乳ユーザーの約8割が「おなかがゴロゴロしない牛乳を希望する」という結果でした。(参照:www.meg-snow.com
そのくらい、乳糖不耐症の症状を緩和させたいと考える人が多く、ラクトースフリーの需要は高いとも言えます。

実は世界中の多くの人が乳糖不耐症

北ヨーロッパの人間が乳糖不耐にならないのは「食生活によって体が適応した」「遺伝子が変異した」という説があると説明しましたが、いずれの説も乳製品が日常生活の中に取り入れられているというのが大前提です。日本も含め、牛乳がこれほど広く流通したのはごく最近であり、冷蔵技術の進歩と、牛乳が多く取れるように品種改良されたホルスタインなどの品種が出現するまで世界中の多くの地域では牛乳を液体の状態で飲むという事は一般的な食生活とは言えませんでした。その為世界中の多くの人々は乳糖不耐症です。

なぜ乳糖不耐症の人が少ないヨーロッパでラクトースフリー製品が流行ってるの?

ではなぜ乳糖不耐症の人が少ないはずのヨーロッパでラクトースフリーの製品が広がっているのでしょうか。まず言えるのはヨーロッパの人間は乳糖不耐症の人が少ないと言っても、酪農を広く行っていたのは北ヨーロッパ〜中欧ヨーロッパであるという点です。そしてイタリアなど南欧の国々では乳は伝統的に液体のまま飲むのではなく、チーズなどに加工することが多かったため、熟成によって乳糖が少なくなった乳製品には乳糖分解酵素であるラクターゼがそれほど分泌する必要がありませんでした。
またヨーロッパでは旧植民地であるアフリカからの移民や中東、アジアからの移民が増えており、それらの人々はラクターゼを体内で生成出来ない人が殆どのためヨーロッパでラクトースフリーの製品が広がっているのでしょう。
 
 
ではラクトースフリーの商品にはどのようなものがあるのでしょうか?

ネットで買えるラクトースフリー商品

以下でネットで買うことのできるラクトースフリーの商品をご紹介しますが、日本ではラクトースフリーの商品は需要が高いにも関わらず、まだまだ少ないのが現状です。海外ではラクトースフリーのミルクやチーズ、ヨーグルトなどさまざまな商品があるので、日本でも手に入るようになれば良いなと願うばかりです。

ラクトースフリーの牛乳

雪印メグミルクのアカディはラクトースフリー商品ではありませんが、予め乳糖を分解することにより従来の牛乳に比べて乳糖を約8割カットした商品です。

楽天で購入することができます。

ラクトースフリーの粉ミルク

先にも紹介しましたが、先天的にラクターゼを作ることができない赤ちゃんにとって乳糖不耐症は命に関わる深刻な問題です。そのため乳糖を含まない粉ミルクは必需品です。
Amazonでは以下のラクトースフリーの粉ミルクを購入することができます。

ラクトースフリーのチョコレート

「クリングリー ラクトースフリーチョコレート」は乳成分の代わりにライスミルクを使用しているラクトースフリーのチョコレートです。
チョコレートとストロベリーフレークが入ったチョコレートの2種類あります。

KALDIで取り扱いがあるようですが店舗によって商品の取り扱いが違うかと思いますので、ネットで購入するのが確実でおすすめです。
楽天で購入することができます。

乳糖不耐症とうまく付き合う方法

日本にはラクトースフリーの商品が現状ほとんどなく、ネットですらなかなか手に入れるのが難しい状況です。だからといって乳糖不耐症の人は乳製品を諦める、腹痛などの症状を我慢するというのもなかなか酷な話ではないでしょうか。以下では、ラクトースフリー商品以外で、乳糖不耐症とうまく付き合う方法をご紹介します。

①ラクトースを分解するラクターゼを補う

そもそも乳糖不耐症の症状を緩和する方法はないのでしょうか?いいえ、実は緩和する方法はあります!
先に紹介したとおり、乳糖不耐症の方はラクターゼという酵素が腸内に存在しない、もしくは少量しか存在しないためにラクトース(乳糖)を分解することができず、下痢や腹痛などの症状を引き起こしてしまうという状況でした。つまりは、ラクトースを分解するラクターゼを補えば乳糖不耐症の症状を緩和させることができます。
ではラクターゼはどのようにして補うのでしょうか?ラクターゼはサプリメントで簡単に補うことができます。乳製品を摂る前にラクターゼのサプリメントをとるだけで、あの辛い症状を緩和することができます。

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ただ、ラクターゼのサプリメントはAmazonや楽天での出品は現在(2017/2/17)なく、iHerbなどの輸入サイトで購入するしか方法はなさそうです。
 
男性の方向けでは、筋トレ用のプロテインは乳由来のものが多いため、そのまま乳由来のプロテインを飲むと下痢をしてしまいます。プロテインを飲む前30分前にラクターゼのサプリを飲めば消化できるようになります。

②乳糖を含まない代替ミルクにする

近年注目されている代替ミルクはラクターゼを含まないものが多いので、そちらを楽しむという方法もあります。
たとえば、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、オートミルク、ココナッツミルクなどがそうです。ローランでも以前『モデルやタレントの間で人気の”アーモンドミルク”って?』という記事でアーモンドミルクについてご紹介しました。
第三のミルクと呼ばれるこれらの代替ミルクについては、詳しく別記事で後日ご紹介します。

いかががでしたか?

筆者も牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまうので、おそらく乳糖不耐症でしょう。ですが筆者は乳製品が大好きなのでこれまでお腹のゴロゴロを我慢して食べていました。ラクトースフリーの商品が増えたらどんなに良いだろうと期待しながら、今後の登場を待つばかりです。