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日本人はみんな野菜不足?!
みなさん野菜を日頃どのくらい食べていますか?
国(厚生労働省)の方針では、1日350gの野菜を食べ続けることを推奨しています。
ですが、厚生労働省の発表している「平成28年「国民健康・栄養調査」の結果」によると、日本における野菜摂取量の平均値は276.5gで、過去10年の数値の中でも最低値となっていました。つまり、日本人のほとんどが野菜不足に陥っていると言っても過言ではありません。
今回は国の推奨している1日350gの野菜の摂取について、考えてみたいと思います。
350gの根拠は?
1日350gの野菜を摂取することは、健康日本21と呼ばれる21世紀における国民健康づくり運動という国民の健康づくり対策の1つとして目標数値として示されたものです。
健康日本21によると、カリウム・食物繊維・抗酸化ビタミンなどの摂取が、循環器疾患やがんの予防に効果的に働くと考えられ、サプリメントなどの特定の成分を強化した食品に頼るのではなく、通常の食事としてとるのが理想とされています。
これらの摂取量と食品摂取量との関連を分析した結果、野菜の摂取量が寄与している割合が高いことが判明し、カリウム・食物繊維・抗酸化ビタミンなどの栄養素を適量摂取するには、野菜を350〜400g摂取するのが必要だと推定されました。
ちなみに、野菜を1日350g摂取する目標が最も有名ですが、これ以外にカルシウムの適量摂取のために牛乳・乳製品を107g、豆類を76g摂取することも目標とされています。
ただこの量は牛乳を小さいコップに1杯、納豆を1.5パック食べることで達成されるので野菜ほどは難しく感じないためあまり注目されていないのかもしれません。
350gの野菜ってどれくらい?
ところで、350gの野菜と言われてもいまいちイメージがわかないかと思います。
まず350gの野菜といっても、正確にはただ野菜を350g摂れば良いというわけではありません。
緑黄色野菜を120g以上とその他を230g以上摂取するのが理想とされています。
例えばレタスサラダを350g摂取しろと言われても、少し飽きてしまいますよね。
そういった意味でも、様々な種類の野菜を摂取するのが良いでしょう。
では、350gの野菜はだいたいどの位か具体的に考えてみましょう。
農林水産省の発表している資料によると、小鉢(小皿)の野菜料理が約70g、野菜炒めなどの野菜メインの大皿料理だと約140g、野菜カレー1人前も約140gだそうです。
つまり、1日分の摂取量である350g摂取するには小鉢(小皿)の野菜料理5皿分となります。
この例でいくと、朝おひたしなどの小鉢の料理を食べ、昼に野菜炒めを食べ、夜に野菜カレーを食べれば1日分の摂取量をクリアできることになります。
野菜を3食食べれば無理ではない?
1日350gの野菜をとるのは難しい…というイメージがある方も多いのではないでしょうか?
たとえば、コンビニのサラダは1個約150gです。そのため1日の3食全てにその位の量の野菜を摂取すれば、1日350gの野菜を摂取することができます。
ただ、1日3食食べない(朝食を欠食する)という人も多いのが現状です。
平成28年「国民健康・栄養調査」の結果によると、朝食の欠食率は男性13.4%女性10.7%です。一番欠食率の高い20代では、男性37.4%女性23.1%の人たちが朝食を食べていません。
一食少ないとそれだけ野菜を摂取するチャンスは減るので、やはり野菜不足に陥りがちです。
また、筆者もそうですが、ついついランチを手軽にすませるためにインスタント麺などで済ませてしまうなんてことはないですか?
野菜を全く摂取しない食事を1食とっても、やはり野菜不足に陥ってしまいます。
それ以外にも、例えば1人暮らしだと野菜を購入しても余らせてしまったり調理しきれないということも多く、それが原因となって野菜不足に陥ってしまうことも多いでしょう。
野菜ジュースで野菜不足は解消できる?
市販の野菜ジュースは加熱しているため、加熱に弱いビタミン類は破壊されているなどネットで見かけます。
確かに野菜を食べるよりも野菜ジュースで摂取できる栄養素は減っているかもしれませんが、野菜ジュースで摂取できる栄養素も多くあります。
厚生労働省が示す日本人の栄養所要量と市販の野菜ジュースの栄養素を比較したものが以下です。
比較に使用した野菜ジュースは比較的どこのコンビニなどでも手に入りやすい以下の2つの野菜ジュースを使用します。
1パック(200ml)あたり | 伊藤園 1日分の野菜 |
KAGOME 野菜一日これ一本 |
成人女性の1日の必要量 |
---|---|---|---|
食物繊維 | 1.0~2.6g | 2.1g | 18g |
カルシウム | 135mg | 27〜66mg | 550mg |
マグネシウム | 45mg | 33mg | 230mg |
カリウム | 655mg | 700mg | 2000mg |
ビタミンE | 1.3~3.4mg | 2.7mg | 6mg |
ビタミンK | 3~15μg | 11μg | 150μg |
葉酸 | 5~90μg | 10〜83μg | 200μg |
β-カロテン | 4,720μg | 2900 〜13000μg | 3600μg |
成人女性の1日の必要量はもちろん野菜だけで摂取するわけではなく、野菜以外の食べ物からも摂取する栄養の量ではありますが、表をみてわかるとおり、野菜ジュースだけで1日分の野菜の摂取量を補うのは難しいです。
ですが、足りない栄養素を補うのに野菜ジュースは活躍してくれそうですね。
したがって、野菜ジュースを飲めば野菜を食べなくても大丈夫というわけはなく、野菜ジュースは栄養のサポート的存在と考えるのが無難でしょう。
また、今回紹介した2つの市販の野菜ジュースは食塩・砂糖不使用のものですが、市販の野菜ジュースには食塩や砂糖を使用して飲みやすくしてあるものも多いので、そのようなジュースを飲む場合は塩分や糖分の摂取量にも気をつかうようにすると良いでしょう。
オーガニックの野菜ジュースもあるので、食の安全にこだわりのある方はこちらがおすすめです。
野菜ジュース同様に、野菜不足が意識されるようになってから近年ずっと人気があるのは「グリーンスムージー」です。
お好みの野菜をミキサーにかければあっという間にできあがることからも朝食に摂取しているという方が多いです。
野菜ジュースは繊維質を取り除いているのに対し、グリーンスムージーは野菜のもっている繊維質も摂取できます。
そのため市販の野菜ジュースも良いですが、自家製オリジナルスムージーもおすすめです♪
おやつに野菜を摂取すればもっと簡単に1日350g摂取できる!
3食全部に野菜をとるのが難しいという方におすすめなのが、野菜スイーツです。
野菜をつかったおやつなら手軽に野菜を摂取できるかも?!
以下の商品などがおすすめです。
また子供などには市販品ではなく手作りのものを食べさせたいという方のために、様々な野菜でつくる野菜スイーツレシピを紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
また野菜を乾燥させてドライベジタブルにすることで、野菜チップスをおやつ代わりにするのもおすすめです。
いかがでしたか?
野菜はビタミン、ミネラルなどの重要な供給源であり、私達の健康を支えてくれる存在でもあります。
菜食がメインのかつての日本の食生活ならば、野菜不足には陥らなかったかもしれませんが、食生活は変化し、今や私達は意識的に野菜を摂取しなければ野菜不足に陥りがちになりがちです。
様々な方法で楽しみながら野菜を摂取できると良いですね♪