オーストラリアの先住民族が古来生薬として使っていたカカドゥプラムは、世界一天然ビタミンCが豊富なスーパーフードとして世界中から注目を浴びています。
その圧倒的栄養価からくる世界的な人気に対し、生産は人工的には行われずオーストラリア北西部のノーザンテリトリー周辺の一部で自生している実を収穫できるのみとなるので供給が追いついていないのが現状です。
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オーストラリア北部のみに自生するカカドゥプラム
カカドゥプラムは西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州などに生息する固有木であるカカドゥの実です。オーストラリア貿易促進庁によると現在は自然に生えているカカドゥプラムのみが出回っており、人の手による栽培は現在研究中なようです。
カカドゥプラムの木は4から10メートルまで育ち、2センチ程の楕円形の実をつけます。実は黄緑色で、完熟すると淡黄色にかわります。酸味がある実は完熟していると甘く、生でも食べられますが、チャツネやジャム、ピクルスに加工している製品もあります。近年、カカドゥプラムはビタミンC含有量が多いことから、スキンケアやヘアケア商品、飲み物やサプリなどの製品にもされています。アーネムランドに住むアボリジニ先住民族は生薬としても利用しています。
「カカドゥ」ってどういう意味なの?
カカドゥとはカカドゥプラムが自生しているオーストラリア北部、ノーザンテリトリーの原住民族アボリジニの方言の1つで、「人間」「人々」などの意味で使われていました。
言語としては消滅してしまいましたが、カカドゥの名前はカカドゥ国立公園などの各所で地名として残っています。
カカドゥという言語が話されていた地域で取れるプラムなのでカカドゥ・プラムです。
またカカドゥプラムには色々呼び名があり、アボリジニはGubinge(グビンジ)やMurunga(ムルンガ)と呼んでいます。また英語では、Billygoat plum(ビリーゴートプラム)やBush Plum(ブッシュプラム)とも呼ばれます。
カカドゥプラムの主な成分と特徴
カカドゥプラムの一番の特徴はビタミンCが豊富ということです。100グラムのカカドゥプラム(可食部)に約3150mgのビタミンCビタミンが含まれています。これは、ビタミンCが多いと言われているオレンジの約60倍の量です。
また、カカドゥプラムはカルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルを含んでいます。カルシウムの体内吸収をマグネシウムが助けるので、バランスの良い食物と言えるでしょう。
栄養素
カカドゥプラム (可食部/100g) |
ひゅうがなつ (砂じょう/生/100g) |
ブロッコリー (生/100g) |
|
炭水化物 | 25.6g | 8.3g | 5.2g |
タンパク質 | 1.1g | 0.6g | 4.3g |
脂質 | 0.1g | 0.1g | 0.5g |
食物繊維 | – | 0.7g | 4.4g |
ビタミンC | 3150mg | 21mg | 120mg |
カルシウム | 43mg | 5mg | 38mg |
鉄分 | 11.5mg | 0.1mg | 1.0mg |
マグネシウム | 2.6mg | 6mg | 26mg |
カカドゥプラムの食べ方
カカドゥプラムは、もちろん生で食べることはできますが、現地ではジャムやピクルスに加工することも多い植物です。
ただオーストラリア国外で流通している食用のカカドゥプラムの殆どはパウダーか精油(エキストラクト)なので、日本国内で生のカカドゥプラムを食べる機会はほとんどないでしょう。
パウダーに加工しているカカドゥプラムは、飲み物で溶いたり、サラダにふりかけたりと、料理をアレンジする調味料として使うのも可能です。長期保存期間が可能なピューレ状や冷凍保存されているタイプもあるので、冷凍庫に常備するのもよいと思います。
カカドゥプラムに摂取制限はあるの?
カカドゥプラムは子供やお年寄りまで、幅広い年齢層が食べることのできる食材です。ただし、カカドゥプラムはビタミンCが豊富なので、長期的な過剰摂取は控えてください。カカドゥプラムパウダーの一日の摂取量目安は、約小さじ1杯(3g)程度です。
また、カカドゥプラムの種には毒素が微量に含まれているので、あまり食べないほうが良いです。
妊婦や妊娠中の方、妊娠を考えている方も食べても問題はありませんが、医師と相談の上摂取することをおすすめします。また、カカドゥプラムの食品アレルギー反応の症例はありませんが、万が一反応がでた場合は、ただちに摂取を止めて医師に連絡してください。
どういうカカドゥプラム製品があるの?どこで購入できるの?
カカドゥプラムは世界的から注目を浴びている割に生産量が本当に少ないフルーツのため、日本国内では食用も含めてほとんど流通していません。
世界的に見るとカカドゥプラムが使用されているものとしては、以下のようなものが流通しています。
・化粧品、コスメ
・サプリメント
・生、冷凍果実
・パウダー
・加工食品
ただ日本において流通しているのはほぼ「化粧品・コスメ」「パウダー」のみとなっており、さらにその数も数えるほどしかありません。
コスメ・化粧品
カカドゥプラム配合のコスメは食品よりは多少多く揃っています。ただやはり原産地であるオーストラリアなどに比べると輸入されているカカドゥプラム配合のコスメは多くありません。
ジュリーク ピュアホワイティ コレクション
オーガニックコスメでおなじみのハイブランド、ジュリークの「ピュアホワイティ コレクション」にはすべてカカドゥプラムやアフリカンバーチを配合した「ビタブライトKX」が含まれています。
ピュアホワイティ 洗顔料
ピュアホワイティ 化粧水
ピュアホワイティ 美容液
ピュアホワイティ 目元用クリーム
ピュアホワイティ 部分用スキントリートメント
ピュアホワイティ シートマスク
CHANEL CC クリーム N
食用カカドゥプラム
日本では食用のカカドゥプラムはほとんどありませんが、2015年に東洋酵素化学株式会社が、カカドゥプラムの乾燥粉末を上市しました。また、一般・健康食品向けのOEMへの原材料供給や化粧品用途の抽出エキスも取り扱う予定です。そのため今後はカカドゥプラム製品の入手方法が増えると見込まれますのでぜひ期待しましょう。
食用のカカドゥプラムは以前はTBCがカカドゥプラムにマヌカハニーを配合したサプリメントを販売していたり、パウダーを取り扱っているところも数社あったのですが、現在日本にほとんど入ってきていない状態です。1社だけ小売目的で輸入している会社がありましたのでご紹介させていただきます。
THE AUSTRALIAN SUPERFOOD co
楽天のマロンヒルという店舗がTHE AUSTRALIAN SUPERFOODのカカドゥプラム・パウダーを輸入しているようです。
カカドゥプラムは本当に生産量が少なく流通しないため、この店以外パウダーを販売している店は見当たりませんでした。
その他
C−エイド
ペット用サプリメント
オーガニック カカドゥプラム エキス(5ml/20ml)
カカドゥプラムから抽出したエキスです。コスメやトリートメントなどに混ぜてカカドゥプラムの成分を追加することができます。
www.ringaringa.net
(画像引用:www.ringaringa.net)